2012年5月31日木曜日

The Long Goodbye by Alan Broadbent

『長いお別れ』と聞くと、反射的にフィリップ・マーロウを思い出すが、おそらく関係はなかろう。

3拍子マイナーのナンバー。最初は暗くブリッヂ(中間の展開部分)で立て続けに和音が展開し、最後はメジャーになるという、他の曲ではなかなか見られない構成になっている。

チャーリー・ヘイデンのカルテット・ウェストによって演奏された。作曲者はピアニストのAlan Broadbentである。

これはテナーの曲。テナーと同じくらいずっしりした低い音を出せない限りトランペットでは手を出せないだろう。挑戦しがいはあると思います。

「The Long Goodbye」 Charlie Haden Quartet West



2012年5月30日水曜日

Midnight Mood by Joe Zawinul

マイルズバンドに加入しウェザーリポートで一世を風靡したJoe Zawinulだが、彼は以前はアダレイ兄弟のグループにいたりとオーソドックスなジャズをやっていた。

Midnight MoodはMoney in the Pocketというアルバム収録のオリジナル曲(これより古い録音があるかも知れませんが未調査)。美しく静かなワルツ。おそらく都会を離れ田舎ですごすmidnightではと勝手に思っている。

このアルバム、ブルー・ミッチェルやペッパー・アダムス、ジョー・ヘンダーソンなど名だたるメンバーを従えオリジナル曲中心で聴かせるものとなっている。


ビル・エヴァンスは数度この曲を取り上げ、それで比較的有名な曲になったのだと思う。

だからというわけではないが、ぜひトランペットで聞かせる曲にしたいと思う。


ご本人の演奏ではないが、 静かな雰囲気を醸し出す演奏をどうぞ。

Arshak Sirunyan - "Midnight Mood" (J.Zawinul) - Live at CSPAC

2012年5月29日火曜日

Autumn in New York 2題

ニューヨークの秋。
私の中でのザ・バラード。
枯葉以上に季節に気を使う秋の歌だ。

メジャーとマイナーが絡み合い、肌寒さの中に若干の暖かさを思わせる。


演奏家にとっては手強い相手で、アドリブで独自のものを出すのは至難だとおもう。

今年の秋にまた自分なりの演奏ができるように、今から準備しよう。

Kenny Dorham and the Jazz Prophets at the Cafe Bohemia - Autumn in New York


Autumn In New York - Sweet Jazz Trio

2012年5月26日土曜日

Conception by George Shearing

ジョージ・シアリングの曲。

コードの展開が目まぐるしい。

もともとC#で書かれた曲なのだけど、キース・ジャレットやビル・エヴァンス、チェット・ベイカーなどはCに書きなおして演奏しています。「自分で12キーの練習をする」で解決するのかもしれないけれど、いろんなキーで書かれた曲を演奏すると発見も多いと思う。



例によってYoutubeより、原キーで演奏されたものをどうぞ。
まだコードにしっくり行かないところがあるんだけど、これはトランペットで自分なりに演奏してみたい。

2012年5月25日金曜日

Firm Roots composed by Cedar Walton

私は村上春樹は読まないのだが、彼が最高のピアニストとしてCedar Waltonの名を挙げていたのには驚いた。
「あ、ジャズのこと知ってんじゃないの?」と(実際には彼はジャズ喫茶を経営していたのであった)。

 シダー・ウォルトンはピアノの音や崩れない演奏をするのだけれど、作曲も有名である。
Holy Land, Ugetsu(a.k.a. Fantasy in D), Ojos de Rojoなど。

 Firm Rootsもまた彼の代表作の一つ。いわゆるAABAのようなありきたりな展開に安住しないのが彼の曲の好きなところである。ペダルによるスタートも美しい。

Youtubeには御大の映像はなかったので、他の方の優れた演奏をどうぞ。
トランペットじゃ難しいかな。 だれかサックスかなにかで聞かせてください。

2012年5月24日木曜日

Are They Only Dreams performed by Woody Shaw

ウディ・ショウは私のアイドルの一人である。

ソロをとってもコードトーンに対して独自のアプローチをするので面白い。彼のスタンダードの演奏はまた聴き応えがあるし音の使い方に得るものがあるだろう。
彼の魅力はそれにとどまらず、曲も切れるしバンドの音も他にはないものを作り出している。

"Are they Only Dreams"はアルバムMoontraneの一曲。作曲はOnaje Allan Gumbsなのだが、ウディのバンドの音がする。A-A'の間のコードのぶん投げ方はとてもよいです。

すでに出来あがった曲で、彼のバンド以外が演奏するのは大変難しいだろう。

Rhythm-a-Ning performed by Tom Harrell 2題

トム先生の御演奏。
素晴らしい。

8分音符を力を入れずに吹くこと、休みとか間合いの使い方など。

先生に少しでも近づけるように努力します。

コペンハーゲンでの演奏。


le duc des Lombards版

2012年5月23日水曜日

Voyage By Kenny Barron

ケニー・バロン作。
ケニーさんはNew York Attitudeもそうだけど、こういうバップぽいっけどそのちょっと先のような曲が多いような気がする。
演奏する方から見ると、こういう2-5の展開はしんどいけれど面白い。

スタン・ゲッツとのカルテット演奏でどうぞ。

The Jody Grind by Horace Silver

ホレス・シルバーは"Song for My father"だとか初期の曲がやたら有名だけれど、いつだって曲がいい。

この曲は出身大学近辺ではスタンダードだったのだが、なかなか知っている人に出会えない。
パターンもシンプルでブルース進行なのでやりやすい割に盛り上がる曲だと思う。


2012年5月22日火曜日

Paolo Fresu and Uri Caine

ピアノとトランペットのデュオ。
どのパフォーマンスも好きだけど、とりあえずスタンダードのDoxyを聞いてみてください(Youtubeはシーク可です)。
やられた、と思いました。

Paolo Fresuの音は楽に吹いているように聞こえる。楽に吹かないと音の深みが出ないんだな。



Uri Caineは本当に器用。デイヴ・ダグラスのCDで初めて聞いたけれど何でもいけるなあ。ジャズ・ジャーナリズムでは名前が出てくるかしらないが、チック・コリアとは違う方向だけどジャズの音楽を拡げた人だと思ってます。


2012年5月18日金曜日

Look to the Sky by Antonio Carlos Jobim

ジョビンの作品の中では有名ではないかもしれないが、大変よい曲。
トランペットにも合いますね。

ヒロ川島さんの演奏でどうぞ。
ただし未完です。

2012年5月17日木曜日

Anti Calypso by Roland Prince

ドラマーによるドラムスについての解説です。
最近知った曲です。いい曲ですね。

2012年5月15日火曜日

Free for all by Wayne Shorter

この曲は自分が演奏したいというわけではないけれど大変熱い演奏として印象に残る。
Free For Allはメッセンジャーズ時代のウェイン・ショーターの曲。

ウェイン・ショーターの曲は大好きだ。演奏ももちろん好きだ。
Children of the NightだとかWild Flowerなどは同好の士がいればぜひお手合わせ頂きたいと思う。

2012年5月12日土曜日

辰巳哲也さんのトランペット解釈

ジャズトランペッターの辰巳哲也さんのトランペット解説ビデオ。
数シリーズあるようですので、リンク先から御覧になるとよいでしょう。

自分の経験や見聞を誠実にモニターして話をしようとしておられる。
同じ楽器を吹くものとして興味深くお聞きしました。

トランペットの経験や体格には個体差があるので、言葉として記録に残した時点で100%経験を捉えることはできないと思う。しかし、この話をもとに自分の頭で考えて練習すれば得られるところは多いのではないか。

ご本人のウェブサイトはこちら。http://members3.jcom.home.ne.jp/dadriemusic/
 

Moon and Sand 2題

アレック・ワイルダー作の静かな名曲。

世間的にはキースジャレットの演奏で有名だろうか。
日本のフェイクブックには載ってないのが原因か、 ジャズを演奏する人のなかでも知名度は低いようだ。

学生の時はなぜかベースでこの曲を演奏してジャコ・パストリアスのピアノトリオのCDをコピーをしていたものだが今はトランペットでも吹くようになった。

曲はABACでCの部分が10小節。
形式から考えるのは良くないと思いつつ、なるべくAABA形式以外のものに慣れておきたい。
Bの2-5のコードの流れが好き。

例によってトム先生からピアノのジャッキー・テラソンとのデュオ、それからケニー・バレル・トリオの演奏です。


2012年5月9日水曜日

久保田浩さん

北九州に何度か遠征に行くのだけれど、ジャズを演奏される方がたくさんおられる。

久保田さんは北九州でお会いしたピアニスト。88nelsonというライブハウスのセッションで初めてお目にかかった。


ご自身の歌い方がはっきりとある、と私衝撃を受け、以降演奏をお聞きするときは(精神的には)正座で聞いております。


ご一緒させていただいたり、間近で演奏を拝見できることが自分にとって貴重な経験です。

お近くの方はぜひ久保田さんのライブに足をお運びください。
北九州の人は近くで素晴らしい演奏を聞けていいなあ、と思います。

久保田さんのウェブサイト。http://jimita.com/

枯葉 Autumn Leaves

Pf久保田浩
Ba増根隆司
Dr乙宗亮輔

2012年5月7日月曜日

Sail Away by Tom Harrell

トムさんの有名曲のひとつ。
フェイクブックにも載っているから取り組みやすいだろうけれど、自分らしく歌うには時間がかかりそう。

いいオリジナル曲を作れるひとこそ音楽をより精緻にあるいは猥雑に変化させることができると思う。アマチュアとしておこぼれにあずかることしかできないが、せめてトムさんに賛辞を送りたい。

Moontrane by Woody Shaw

ウディ・ショウの名曲の一つ。
Cm / Dm / Eb#9 / Fm / DMaj7 という展開がたまらん。


本当に何一つ理屈やコードのことがわかってない学生時代に、無理言って一緒に演奏してもらった。
この曲ばっかりは、今後の人生で「やりましょう」といってやってくれる人はいないだろう。


一番のお気に入りは、Woody Shaw、Freddie Hubbardのセッションなのだが、youtubeにはないようなのでこちらをどうぞ。 こんなに速くなくてもいいと思うが。


2012年5月6日日曜日

It's you or no one 2題

Hank Mobley, Lee Morgan play ...




Steve Kuhn plays...


Session at Porche

5/5(土)山口ポルシェのセッションデイに参加。

自分が演奏した曲。
It's You or No One.
At the Mambo Inn

Recorda Me
I Remember Clifford

他の方が演奏した曲。
A Girl from Ipanema
Softly as in a morning sunrise
All the things you are
Corcovado
Alone Together
My Romance
Tea for Two
Autumn Leaves
Watermelon Man
Georgia on my Mind
Amazing Grace

休みの合間ということもあって、演奏される方多数。
県外から旧知の方もいらっしゃる。楽しかったし刺激になりました。
山口にもジャズを演る人がたくさんいらっしゃる。
自分が出来ることなど限られていて、とにかく楽しくかつ精密ないい演奏をするだけ。
聞き手も演奏家も育ってくるとおもう。

自分の反省点は、
・トランペットは和音が出せない。出す一音を慎重に決めて出す。
・無理しない。音の跳躍のあるイディオムなんかで無理なく楽器を鳴らせるように日頃の努力。
・タイミング。メトロノームが手から離れるまで。

アマチュアで音楽をやるのはほんとうに大変だし、経済的な見返りなんてない。楽しさ、日常とは違ったコミュニケーション、また美しさに近づくことが報いといえば報いだが、そういうもののために多くの人が熱中して集うのは本当に素晴らしいことだと思う。長く続けたい。

2012年5月5日土曜日

Nicolas Folmer and Daniel Humair play "Matrix" by Chick Corea

ジャーナリズムからは全く離れているのでわかんないけど、優れたジャズ・トランペッターはたくさんいます。

Nicolas Folmer(ニコラ・フォルメル)は、フランスのトランペッター。メカニカルなフレーズを難なくこなす。ピッチも正確。タンギングなのかフレージングなのか、ちょっと癖があるかなあと思うのですが、聞いていて大変おもしろい。
彼の書く曲はまた素晴らしい。おいおい紹介したい。


このビデオは、フランスのジャズレジェンドのひとり、Daniel Humair(ダニエル・ユメール)とのクインテットでの演奏。曲はChick Coreaの"Now he sings, Now he sobs"で聞かれる"Matrix"。トランペットでこの曲をやるという発想でやられた。


2012年5月4日金曜日

Sweet Love of Mine by Woody Shaw

Woody Shaw の作曲。

とはいえ、彼らしからぬ曲だと思う。もっと過激な響きの曲が多いのです。


Real Book 系には全然載ってないというのがまた不思議。
アメリカさんでも人気はないのか。

メロディにパワーがあり演奏もしやすく、ソロも取りやすいと思います。

Homestretch by Joe Henderson

同じくジョー・ヘンダーソンのブルースHomestretchのだけれどこんな映像が残っているというご紹介。
ブレッカー兄弟がいらっしゃる。
各人2コーラスと短くお祭り進行なのですが耳に入りやすいブルースなので演奏の参考にもなるかもしれません。

どうでもいい話だけど、Miles, Bluesはそれぞれ「マイルズ」「ブルーズ」だと思うのです。



Mamacita by Joe Henderson

テナーサックスのジョー・ヘンダーソンの曲。
Recorda Me が有名だけど他にも佳曲多数。



初出はKenny Dorham "Trompeta Toccata"のはず。こちらの演奏も熱いのでどうぞ。
下のビデオはテンポが速いのですが、ゆったりでも楽しめる曲になってます。
このアルバムはトランペット吹きなら聞くべき。

2012年5月2日水曜日

Short Story by Kenny Dorham

ケニー・ドーハムはほんとうに素晴らしい。
音色はもちろんテクニックも素晴らしく、そして佳曲も多い。


ブルーボッサとかロータスブロッサムあたりが有名だと思うけれど、それ以外にも名曲多し。


Short Storyはジョー・ヘンダーソンのリーダーアルバム'In 'n Out'の一曲。
ワンホーンでもいけると思います。

Moon Alley by Tom Harrell

トム先生の作曲。2管以上で静かなジャズの曲は希少。
初版はCriss CrossのCD Tom Harrell"Moon Alley"。

いわゆる昔からやってる曲だけではなく、プレイヤーズチューンがもっと流行ればいいなと思う。

下のビデオも好演です。
John Fedchock NY Sextet - MOON ALLEY

Moment's Notice - Brandon Lee on Youtube


とても参考になる。
これくらいのテンポで思ったように吹けると楽しいだろう。練習あるのみ。

2012年5月1日火曜日

Session at 88nelson

小倉の88nelsonにてジャム・セッションに参加。
老若男女音楽を愛する人々が集う場所で、また皆さんお上手。
明るく、居心地が良い。
88回の記念セッションで、プレイヤーも多く、リズムセクションが3セットできるほど。
うらやましい限り。地元でももっと演奏者が増えるといいな。

ここ数週間不調続きであったが、いい刺激をもらって浮上のきっかけを得た。
自分の場合フレーズがイメージできても楽器からの出力が追いつかないので、メトロノームと仲良くこつこつと練習するしかないな。言うまでもなくいい音をめざして。

マスターの計らいで歌伴にも数曲参加する。
歌とトランペットが出てくる、となるとチェット・ベイカーくらいしか真面目に聞いたことがないが、彼の場合歌っている途中にトランペットがでてくることがない。

歌の間を埋める(白玉のときに吹く)、という考え方ではいけないような気がする。声の伸びを邪魔する可能性だってある。
もっと聞かないとね。
経験するからこそ得られたり。

参加曲(曲名を覚えている分だけ)
Body and Soul
It don't Mean a thing
Autumn Leaves
Fly Me to the Moon
When You Wish upon a Star
I've got You under my skin

セッションでもいろいろできるのだが、曲をじっくりつくっていったり、複数管のアンサンブルに興味が尽きないので、やっぱりレギュラーバンドがあるのが理想とは思う。