2014年12月10日水曜日

Cedar Walton - Theme for Ernie

バラードナンバー。

AABA'で最後が11小節と変則的なのだが、それほど違和感を覚えない。


A部分も悲しいしブリッジ(Bの部分)も物悲しい。声をかけてみるけれどそれも暗闇に消えて静寂だけ残って最後のAにつながっているように思う。勝手な想像なのだけど、body and soulのブリッジは月光に照らされてすこし明るくなるような展開だと思っている。


ジョン・コルトレーンがこの曲を演奏したことで広く知られている。


コルトレーンもこの曲も知っていたけれど、自分で演奏しようとか人様に紹介しようという風に全く思えなかった。歳かもしれない。やっとこういう曲に目を向けられるような演奏技術が身についてきたのかもしれない、としておこう。


大好きなトム・ハレル先生のソロが聞けるこちらのクリップをどうぞ。



2014年11月5日水曜日

Belem by Kenny Barron

ケニー・バロンの手になるラテンナンバー。
彼の曲は緻密にできており、またこの曲は特に「おしゃれ」だと思う。
16小節×4のAABA展開。一コーラスは長くなるし、ソロを2コーラス以上とるならA部分が3回続くのをうまく処理しないといけない。

こういう曲を演奏するには、事前にコードや展開の仕方を確認思案しておかないと余裕のないものになってしまう、と私自身については思っている。

この曲はトランペットの音域にもあう。和音が出せたり、ひとりでモントゥーノができる楽器ではないので、盛り上げ方も共通に理解しておく必要があるかな。それができれば、おしゃれにも、熱くも好きに展開できると思う。

下のビデオのように、フルート奏者にはもってこいの曲だと思う。


2014年10月28日火曜日

Tonk by Ray Bryant



レイ・ブライアント作曲。小節数は16-16-8-16。

テーマは非常に強い。ファンキーなリズム、わかりやすいメロディ。もともと2ホーン以上を想定して書かれているようで、アンサンブルも出来上がっている。

AメロもブリッジもA7で始まるので、ソロを聞かせるにはメリハリをどう効かせるかを考えたほうがいいだろう。1コーラスくらいで交代するほうがいいかな。



いかにもジャズらしくユーモアもある面白い曲だ。


2014年10月20日月曜日

Adam Rapa: トランペット コーディネーション・テクニック

表題の本を購入し、読み、いくつか試している。

トランペットを使わずに練習する(呼吸、マウスピースによる練習)

本書のスローリーク練習法を実際に行っている。

力まずに息を吸うのが自分にどれほどできているかわからない。たくさん息を吸うと胸郭が広がり、肺が内側から圧力をかけているように感じる。少なくとも胸が爆発しないように肺を抑えこむ筋肉には力が入っていると思う。それくらいは許されるのかなと思う。

舌の位置はまだなじんでいない。ここに舌を置くんだと強く思うと舌に余計な力が入る。自分の場合、ダブルタンギングをすると脱力するように思う。

で、この呼吸を元に吹いてみると、実際に息の節約にはなっているようで、スタンプの#6もかなり楽に吹ける。

一方で、息を節約したことで音色の変化や音量の調節など気になることも出てきた。もっと録音して聞いてみないといけない。


こういう吹き方からみると、マウスピースだけで練習する際に気をつけるべきは、吹きすぎる、あるいは意図的に吹き込んでしまうことなのだろうと思う。決して大きい音を出そうとせずにすれば、マウスピースの練習も意味が出てくるのかもしれない。

フィンガートレーニング

左手で練習するのは効果的だと聞いていたが、創造的な練習をするにも素人なので、実際に練習メニューとして提案されるとより取り組みやすい。

左手の練習をすると、右手を動かすときあまり力まなくなるように思う。ただし、最初は劇的に右手が動くようになるのだけれど、左手で押さえることに慣れてくればそれほどの変化は訪れなくなる。あとはゆっくりから地道に練習する必要がある。

息の方向


これはよくわからない。
多分、アンブシュアを立体的に考えると、どこから息を通せば最も早く振動するか、みたいなアイデアから出てきたのだろうと思う。

こういうのは意識し過ぎると不自然になってしまうので、探りながら一番いい吹き方を当てていこう。

音楽用耳栓

ラッパ氏は音楽用耳栓を練習時に使用することをすすめている。これも実際にやってみたが、確かに口腔内を含めた体の響きに敏感になれる。

自分の場合、低音のタンギングがとにかく汚く、 必要以上に舌を押し付けているのがよくわかった。

一方、セッションで一度使ってみたのだけれど、どれくらいの音量が出ているのか把握しきれず多分オーバーブロウになってしまい、納得いくようには吹けなかった。これは慣れが必要なのだろう。楽器の音はかなり聞こえるし、こちらに向けられた話も聞こえる。距離をおいた客席の話や拍手は全く聞こえない、という印象。

ジャズの場合、狭い場所での演奏や、アンプやドラムが近い位置にくることも多いので、耳栓での演奏ができると耳の保護には役立ちそうである。

また、音楽用耳栓は日常生活では明らかにプラスになった。長距離の乗り物、振動音や周囲の機械音が遮られ集中できる。

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本書は、ひと通り演奏してきたが奏法をもう一度確認したい、あるいは練習法についてもっと知りたいというトランペット奏者は読んでみるとよいと思う。指導者が指導の際の言葉を整理するのにも良いと思う。逆に初心者は力んだり戸惑う原因となるかもしれないので、ある程度トランペットを続けてきたひとに聞きながら読んでみるほうがいいかしれない。

2014年2月25日火曜日

マウスピース

飲み物を混ぜたスプーンを洗うだろうか。

洗わずにそのまま使う?

さすがに抵抗があるのではないだろうか。

であれば、マウスピースもスプーンと同じように洗うべきだ。


2014年2月6日木曜日

Dave Brubeck Quintet 1974 ~ All The Things You Are"

自分のジャズはここから始まった。

このトラックを多分何百回と聞いた。自分の2-5の和音感覚はここで学んだ。



リー・コニッツもアンソニー・ブラクストンもなんて自由なんだろう。



どう聞いてもジャズなんだけど、基本的なジャズのリズムを超えたところで演奏している。

だから、良い演奏なんだけれど、 初心者がこれを聞いてアドリブを真似るのにはかなり困難が伴うでしょう。特にトランペッターはある程度経験を積んでからアドリブの参考にするといいと思う。





Dave Brubeck(pf) Anthony Braxton(sax)

Lee Konitz(sax)

Roy Haynes(Ds)

Jack Six(Ba)








2014年2月2日日曜日

'Better Git Hit In Your Soul', by Charles Mingus, played by Laura Jurd



Charles Mingus作、Better Git Hit In Your Soul。

6/4拍子。ミンガスの曲は難しそうな印象なのだけれど、これは至ってシンプル。



テーマは実音FでAA'BA'で、AとA'はいずれも10小節。

このトラックではテーマにそってソロを展開しているが、Fメジャーブルースにする方法もあるようだ。

トランペッターLaura Jurd はこういうスタンダードをメインにする奏者ではないようだが、溌剌としたプレイが好感が持てる。



2014年1月26日日曜日

Love Vibrations by Horace Silver

Horace Silverというと、1950年代後半のものがポピュラーで、その他はあまり聞かれていないと思う。

私も、Woody Shawを手がかりにThe Cape Verdean BluesだとかThe Jody Grindあたりを聞いているのだけれど、もっとあとの時代のものはカバーしきれていない。

この、Love Vibrationsという曲も楽譜をめくっていたら(The Real Book #2のsecond Ed.)目に入ってきたもの。1969年作曲とある。Horace Silverの奏法自体は変わっていないけれど、楽器はフェンダーローズ。聞いていて面白い。

トランペットはランディ・ブレッカーである。彼らしさを知るほど聴きこんではないが、ゆるやかにそつなく吹いている印象だ(トランペットのアドリブソロはなし)。


曲はABA'それぞれ8小節で24小節の曲。非常にシンプルなメロディとややイレギュラーな和音展開。ホレス・シルバーの曲らしくキメがしっかりあって、締まったテーマの提示が期待できる。

したがって、ソロで発展させなくても、本レコーディングのようにテーマとその軽いフェイクで十分聞かせるものになるだろう。ワンホーンで聞かせるものになるのかよくわからないので早速試してみよう。



ちょっと意表をついたレパートリということで頭の片隅に入れておいていいんじゃないかと思います。





2014年1月11日土曜日

教則本 John McNeil "The Art of Jazz Trumpet"

有名な教則本のようだ。今年になってとりかかっている。

本書は包括的にトランペットのテクニック取り上げたものではない。またアドリブの理論だとかフレーズブックの類のものではない。
そうではなく、ジャズトランペットに必要なアーティキュレーションの解説と練習例、また指を速く正確に動かすための練習などを取り上げている。

アーティキュレーションについては、実際の譜例と吹き方の指示、お手本CDとそろっており、特にJohn McNeil吹き込みのお手本は参考になる。
自分の場合、同時に吹く、録音して聴き比べるなどして、強弱の付け方やタイムの揺れズレなどを確認している。イーヴンに吹くのは難しい。リズムがでたらめだと聞いてて興ざめですよね。

お手本のfastくらいを吹くまで行くには、手の力を抜く必要があり、そのためには遅いテンポで確実にできるようにならなければならないだろう。

指の練習は、クラシックでも同じことをやらされるのだろう。自分のように基礎のない人間には大変参考になる。
替え指の練習やトランペットC#やD(実音BC)をからめたショートフレーズの練習譜がある。こちらはお手本なし。

吹かずに指を動かして、それぞれのアクションで「カチ」と一音しかなっていないかを確認する練習がある。
やってみると、今までの指使いがでたらめあいまいだったのがよく分かる。
また、これは外に出ないでもできる練習というのがうれしい。

これを克服することで、指の動かし方に変化が現れればと思う。
今のところ少し脱力できており、手応えは少しだけ感じられる。。



こんなところがメインなのだが、アドリブ関係ではanticipation(コードの先取り)なんかも取り上げている。これには録音例があり、実際に聞いてみることで得ることは大きいと思う。

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本書は、トランペットプレイヤーで、自分のアドリブにいまひとつ聴き応えが足りないと感じたり、テーマを吹いていても面白みが感じられない、などで苦しんでいる人には助けになるかもしれない。繰り返しになるが、和音や理論などの本ではないので、アドリブをどうやって吹いたらよいか、などの質問には答えてくれない。そこには期待しないようにされたし。