2014年1月26日日曜日

Love Vibrations by Horace Silver

Horace Silverというと、1950年代後半のものがポピュラーで、その他はあまり聞かれていないと思う。

私も、Woody Shawを手がかりにThe Cape Verdean BluesだとかThe Jody Grindあたりを聞いているのだけれど、もっとあとの時代のものはカバーしきれていない。

この、Love Vibrationsという曲も楽譜をめくっていたら(The Real Book #2のsecond Ed.)目に入ってきたもの。1969年作曲とある。Horace Silverの奏法自体は変わっていないけれど、楽器はフェンダーローズ。聞いていて面白い。

トランペットはランディ・ブレッカーである。彼らしさを知るほど聴きこんではないが、ゆるやかにそつなく吹いている印象だ(トランペットのアドリブソロはなし)。


曲はABA'それぞれ8小節で24小節の曲。非常にシンプルなメロディとややイレギュラーな和音展開。ホレス・シルバーの曲らしくキメがしっかりあって、締まったテーマの提示が期待できる。

したがって、ソロで発展させなくても、本レコーディングのようにテーマとその軽いフェイクで十分聞かせるものになるだろう。ワンホーンで聞かせるものになるのかよくわからないので早速試してみよう。



ちょっと意表をついたレパートリということで頭の片隅に入れておいていいんじゃないかと思います。





2014年1月11日土曜日

教則本 John McNeil "The Art of Jazz Trumpet"

有名な教則本のようだ。今年になってとりかかっている。

本書は包括的にトランペットのテクニック取り上げたものではない。またアドリブの理論だとかフレーズブックの類のものではない。
そうではなく、ジャズトランペットに必要なアーティキュレーションの解説と練習例、また指を速く正確に動かすための練習などを取り上げている。

アーティキュレーションについては、実際の譜例と吹き方の指示、お手本CDとそろっており、特にJohn McNeil吹き込みのお手本は参考になる。
自分の場合、同時に吹く、録音して聴き比べるなどして、強弱の付け方やタイムの揺れズレなどを確認している。イーヴンに吹くのは難しい。リズムがでたらめだと聞いてて興ざめですよね。

お手本のfastくらいを吹くまで行くには、手の力を抜く必要があり、そのためには遅いテンポで確実にできるようにならなければならないだろう。

指の練習は、クラシックでも同じことをやらされるのだろう。自分のように基礎のない人間には大変参考になる。
替え指の練習やトランペットC#やD(実音BC)をからめたショートフレーズの練習譜がある。こちらはお手本なし。

吹かずに指を動かして、それぞれのアクションで「カチ」と一音しかなっていないかを確認する練習がある。
やってみると、今までの指使いがでたらめあいまいだったのがよく分かる。
また、これは外に出ないでもできる練習というのがうれしい。

これを克服することで、指の動かし方に変化が現れればと思う。
今のところ少し脱力できており、手応えは少しだけ感じられる。。



こんなところがメインなのだが、アドリブ関係ではanticipation(コードの先取り)なんかも取り上げている。これには録音例があり、実際に聞いてみることで得ることは大きいと思う。

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本書は、トランペットプレイヤーで、自分のアドリブにいまひとつ聴き応えが足りないと感じたり、テーマを吹いていても面白みが感じられない、などで苦しんでいる人には助けになるかもしれない。繰り返しになるが、和音や理論などの本ではないので、アドリブをどうやって吹いたらよいか、などの質問には答えてくれない。そこには期待しないようにされたし。